週末に観るな! 人に薦めるな! 映画『マジカル・ガール』
TSUTAYAで、「衝動買い」ならぬ、「衝動借り」した作品。
スペイン映画です。
記事のタイトルに反して、こうやって人に薦めるレビューを書いているわけですが(笑)
一言で言うなら、「すごい映画」。観終わってから検索したら、劇場公開時から話題になっていたようですが、それも納得できる。
でも、リアル知人には、薦められない、そんな作品です。
あと、週末に観る映画ではないです。私は観てしまいましたが……。
パッケージ写真から、「魔法少女風のコスチュームを身に付けた少女」「後味悪そうな雰囲気」と、アニメを観る人なら、「まどマギ」*1が頭に思い浮かんだかもしれない。
事実、この作品は「まどマギ」の影響を受けているそうだ。
このインタビューでは、カルロス・ベルムト監督のアニメを含めた日本の作品好きが分かる。
ただし、この作品は、「魔法少女」にまつわる話ではあるが、「魔法」の出てこない、現実的な内容となっている。
主要な登場人物を紹介する。
アリシア:「魔法少女ユキコ(アニメ)」に憧れる少女。白血病を患っており、余命わずか。
バルバラ:精神を病んでいる既婚女性。
ダミアン:刑務所を出所した元教師。教師時代に、バルバラを教えている。
余命わずかな娘・アリシアのために、高額な「魔法少女ユキコ」の衣装を手に入れたいルイスと、精神を病んでいる女性・バルバラが出会うことから、悲劇は始まる。
冒頭、学生時代のバルバラと、教師(当時)のダミアンのシーン。
授業中に回していたメモを渡せとダミアンに言われたバルバラは、一瞬でメモを消してしまう。
私はこのシーンで一気に惹きつけられたし、おそらく、ダミアンがバルバラに魅了されたのもこの瞬間だろう。後に、ダミアンは、「パニックになったのはこの時だけ」と語っている。
ルイスがバーのママから、「望みは、ドレスより父親といること」というアドバイスを受けているが、「この言葉の通りにしていれば……」と思う。
せめて、欲をかかなければ、登場人物たちは、違った結末を迎えていたのかもしれない。
先程、冒頭のシーンに触れたが、ラストシーンはそれ以上に強烈なインパクトを残した。
いや~な展開が続く中、「この話、どうやって落とすの?」という疑問が浮かぶ。
感想は、「やられた!」
日本の魔法少女風アニメが出て来たり、暴力描写や性描写はほとんどないのに、精神的にクる内容だったり、日本人は好きな作風じゃないかと思う。
衝撃のラストを、是非観てほしい。