「魔女の秘密展」に行ってきた
「魔女の秘密展」に行ってきた
ラフォーレ原宿にて開催中の、「魔女の秘密展」に行ってきた。
やっと行けた!
「魔女の秘密展」は巡回展なのだが、最初の開催地である大阪会場の告知を、ニュースサイトで目にした時から、気になっていた。
大阪が2015年3月7日~で、それよりも前に知っていたのだから、一年以上待ち続けたことになる。
各地での開催情報を目にする度に、「東京はまだか!」と、短気な王様のような気分に(笑)
入場前に……
事前に、いろいろな方のブログから「音声ガイドがあった方が、より楽しめる」という情報を入手していたので、私も借りることにした。
「楽しい白猫バージョン」と「ちょっと怖い黒猫バージョン」があったが、ブロガーオススメの黒猫バージョンを選択。
帽子ありorなしも選べる。恥ずかしいので、なしで(笑)
音声ガイドを利用している人は、何人か見かけたが(一般的な展覧会より、利用率が高いように感じた)、帽子かぶっていたのは一人だけだったな。
音声ガイドを利用するのは、はじめてだったのだが、便利さに驚いた。イヤホンを着け、シートに印刷されている番号を、専用のペンでタッチするだけ!
シートはフィルムコーティングされた、薄いもので、持って帰ることができる。
護符が印刷されており、自分用のおみやげに最適。家でシートを見ながら、思い返しては、ニヤニヤしてる(笑)
私にとっては、音声ガイドのしくみが、まさに魔法!
ナレーションは、佐々木蔵之介。囁くような語り口で、恐ろしい内容でも淡々と告げるのが、印象的。間の取り方が絶妙。暗く不穏な時代の空気を感じることができる。
いざ、会場へ
少し混雑していた。
会場が小さいため、列に並びながら観る、という感じ。
原宿という土地柄や内容的に、若い人が多いのかなと思っていたが、そうでもなかった。
やはり若者が多いものの、年代や性別はさまざま。年配の方や家族連れの方も。
直接的なグロは少ないし、民俗学的な内容もあるため、幅広い年代が楽しめそう。
想像力豊かな人ほど、恐怖を感じるだろう。
多くの人がいるにもかかわらず、会場内は静まり返っていた。
友達同士での多少のお喋りはあっても、泣いたり怖がったりして騒ぐ人はいなかった。
みな、息を呑んでいるようだった。
展示を観て
魔女狩りに使われた道具や、書物・絵画からは、人間の弱さや、醜さを感じずにはいられない。
昔は、事故や自然災害を、科学が未発達なために、魔女のせいだと恐れて、まじないをして回避しようとしていただけだった。
それが、農作物の不作、病気の流行、戦争などを経て、しだいに「悪いことは魔女のせい」となっていく心理が恐ろしい。
「気候を操った」という告発が多かったことから、当時の人々の生活の苦しさが窺える。
「魔女狩り=火あぶり」と言うイメージがあるけれど、火には浄化の作用があると考えられており、火あぶりは刑罰ではあるが、最期に救済するという、温情の意味もあったことを知り、驚いた。
火あぶり以外にも、剣で刺す、歯車のようなものにくくりつけて引きずり回すなど、さまざまな刑があった。
また、魔女として処刑するのは、自白が必要であった。
それなら、黙秘や否定をし続ければいいのか? これには裏がある。
拷問には三段階ある。
まず、拷問の内容を説明し、本人の自白を待つ。
自白しない場合は、拷問道具を見せる。
それでも、屈しない場合は、実際に拷問を行う。
自分は魔女であると認めれば、拷問は終わる。そして、魔女として裁かれる。
認めず、耐え続ければ、魔女ではないとして開放されるが、心身共に大きなダメージを受けただろう。
一度目は耐え続けたが、二度目は魔女として処刑された女性の展示もあった。この女性は、近所の精神に異常をきたした人から、一方的な恨みを買い、告発されたそうだ。
「自白」をさせ、「本人が認めた」という大義名分のもとに裁くのは、古今東西変わらぬものだと感じた。
アングラさ、不思議さに惹かれて観に行ったが、人間の弱さや、相手を敵とみなし、人間と思わなくなった時の攻撃性の恐ろしさを感じた。
魔女とされた人々と、彼女達を裁いた人々、悪魔と契約したのは、はたしてどちらだったのだろうか。
まとめ
「魔女の秘密展」へ行って、やはり自分は、不思議なことや、社会と人の心に関することが好きだなと感じた。
日曜日まで!
東京会場(原宿)は、13日(日)まで。
福岡会場は、これからなので、お近くの方は是非!