一寸先は闇? 『清野とおるのデス散歩』
『東京都北区赤羽』シリーズで知られる清野とおるが、赤羽以外での不思議な体験を描いたコミックエッセイ。
幻の店
私が特に好きな話は、「行きたくても行けない幻の店」。
スナックのチーママから作者が聞いた話。
当時、埼玉のO駅のキャバクラで働いていた彼女は、常連さんに誘われて食事へ行く。
雰囲気のある店で、料理もとてもおいしかった。
ところが、その後気になって検索するが、出てこない。近くまで行ってもたどり着けない。常連さんとも連絡が取れないので、分からずじまい。
その話を聞いた作者は、いろいろなキーワードで検索を試みるも、やはり見つけられない。
現在では、その店は検索で出てくるようになった。私も検索した。
作中で店名は明かされないが、キーワードを組み合わせればすぐに分かる。
近くに行くことがあったら、是非行ってみたい。
店が素敵なのもあるが、作者の描き方が絶妙で、気になってしかたがなくなるのだ。
飛び込んでみよう
清野とおるのコミックを読んでいて思うのは、「不思議なことは意外と身近にあるものだなぁ」ということ。
不思議なことは赤羽以外でも起こります(笑)
いつもはまっすぐ行く道を曲がってみる、気になった店に入ってみる……もしかしたら、奇妙で素敵な出会いがあるかもしれない。